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From the clifftop

奇跡と運命の葡萄


奇跡と運命の葡萄_e0138916_9272537.jpg

さんぱちさんとのお出かけの、続きの話です。
久しぶりの銀座へのお出かけだったその夜、大好きなイヤリングでおめかしをしました。

これは去年夫がプレゼントしてくれたものです。
もう長いこと、多分20年くらい前からずっと憧れ続けたGEORG JENSENのものです。


辛いことなどあるとショップに出かけていって飽かず眺めていたイヤリング。だから手元に置いて一緒に過ごしてからはほんの1年ほどですが、見るたびにつける度に色々な出来事や想いが思い出される本当に大切なアクセサリーです。

すっかり良い気持ちになって『喜の間』を失礼しさんぱちさんと新橋駅まで外堀通りを闊歩しました。酔った頭でも時折イヤリングがきちんと耳にあるか確認をしていたように思います。

東海道線の車内でもやはりそっと耳を確認しました。



左の耳のイヤリングが消えていました。

肩の辺りにでもあるかと、さんぱちさんに確認してもらい、私の様子から回りに座っていらした紳士達もご自分達の足元を一生懸命見回して下さいました。

一瞬、何が起きたかわかりませんでした。数日前に仕事に行くときもしていったのですが、その時確かに左側のキャッチが少し甘くなっているな というのは感じていました。

その時、さんぱちさんが
「戻ろうよ、リーさん。」
と言ってくれたのです。
「大切なものでしょう?すごくそれ、好きでしょう。私が同じ状況になったら私もそうするから、戻って、来た道を辿ってみよう。」
品川に向かって走っている電車の中でさんぱちさんはそう言ってくれたのです。一瞬色々と考えた気もしましたが「本当にいいの?戻っても?」と私が聞くと彼女は快諾してくれました。私達は品川駅に電車が着くと即座に向かいの電車に乗り換えて新橋駅へとって返しました。
戻る電車の中で通った道をお互い確認しながらさんぱちさんは「まずはお店に電話しようね。」と。再び新橋駅のホームに降り立ってから彼女の指示通りお店に電話をして店内を確認してもらいましたが見当たらないとのこと、感謝して電話を切ってから2人で数分前にいたホームの辺りをくまなく見て回り、目を皿のようにして階段を降り、改札を抜け、私達はまた銀座の端っこにいました。地面を見つめることに集中していたのであまり言葉も交わさず、でもさんぱちさんの真剣な、そして温かい想いをじんじんと感じながら私はひたすら探しました。

新橋駅の銀座口から土橋の交差点に向かって、にぎわう金曜日の夜の道をさらに戻りました。










そして、イヤリングはあったのです。
私の左耳のイヤリングは、新橋駅から土橋交差点を渡った先の、自動販売機が数台並んだ,、外堀通沿いの歩道で静かに私達を待っていたのです。


不思議なくらい、ものすごく強い確信を持って歩いてはいたのですが、私は確かにしっかりとその子を見つけることが出来ました。道からイヤリングを拾い上げ、さんぱちさんに抱きついて御礼を言って、私はおいおいと泣きました。ちょっとだけね。

「見つけたのはリーさんだよ、私は自分が同じ立場になったらそうするだろうなと思ったことをしただけだから。」

さんぱちさんはそんな風に言いながら本当に我がことのように一緒に喜んでくれました。


一緒に食事に出かけたさんぱちさんを始めとして、あの夜の全ての人やタイミングがきちんと私とイヤリングを結びつけてくれたのです。戻ろうと言ってくれた彼女のやさしさ、『悪いから…』と思ってしまいがちな私に変な遠慮を外させてくれた彼女の包容力、電車内で耳に触れたタイミング(もうすぐ横浜という位置で気づいていたら果たして戻ろうという気になったかどうか…)、蹴飛ばされてどうにも見つけられないところに行ってしまわなかったイヤリング…。

イヤリングはやはり踏まれたようでキャッチの部分は壊れて無くなっていましたが、GEORG JENSEN BOUTIQUEに確認したところ修理は可能とのこと。

上の画像は今朝撮ったものです。
奇跡と運命の葡萄は沢山の人や物事への感謝をこれからずっと私に伝え続けてくれることでしょう。
ありがとう、本当にありがとう。あなたに会えてよかった。
by sur-lie | 2009-11-24 10:50 | Joy of life
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