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From the clifftop

銀座『みちば和食 銀座たて野』

目黒の不思議歯医者がとても良いので実家の両親に勧めてみたところ、数年前騙されたつもりで二人で足を運んでくれて以来ずっと通っています。特に老父は体調がとても良くなったとの事で、娘としてちょっとほっとしています。

老父は元来丈夫で健康なのでもう来年の始めまで診察は要らないそうですが、パーキンソン病を発症した老母は3週間から1ヶ月置き位のペースで通院しています。実家まで行くのは今の私には少々難しいのですが、目黒なら何とかなるので、母が歯医者さんに行く日に目黒で待ち合わせて顔を見に行くようにしています。

先日は長男も来られる というので歯医者さんの待合室で待たせて頂き、母息子2人して老母と会ってきました。ちょうどお昼前くらいだったので誘ってみたら銀座まで足を延ばせると言います。では、と急な行人坂を母のペースに合わせてゆっくりゆっくりと上り、駅へ。

向かったのは『みちば和食 銀座たて野』
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随分前から母は道場六三郎さんのお店に行ってみたかったようで、時間や予算など調整していたのですが叶わず。会う前日にブラッスリー六三郎に連れて行けるかな と検索していたらどうやらそこはもう無くなってしまったらしく、道場さん直伝ということで前掲のお店にヒットしました。

デジカメを忘れてしまったので、携帯でパシャリ。お昼の一番お安い軽いコースを3人でお願いしました。
先附 にぎり子と柿の白和え 蒟蒻 粟麩 ザクロ 添物 米粉のせんべい
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米粉のせんべいにはからすみが練り込まれているそうです。塩気とクリスプ感が良いアクセント。
白和えをひと口食べた長男、顔を上げて
「おばあちゃんが作る白和えの方が美味しい。」と。柿の白和えは母の得意料理の一つです。去年長男が自動車運転免許を取る時、老父が手元に置いておきたいばっかりに実家の近くの教習所を手配してしばらく実家で寝泊りしていたのですが、その時にでもご馳走になったのかな。お店の方に聞こえないように小さな声でではありますが、長男は何度も「おばあちゃんの方が美味しい」と繰り返していました。小さく背を丸め、俯き加減で座っていた老母の心は孫の言葉で踊るようだった事でしょう。

御椀 海老の案平汁 管牛蒡 柚子
海老真薯のお澄まし。
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合わせ盛り 
一 線鮮魚二種盛り あしらい通り  
一 豚バラ肉お白菜蒸し煮 和辛子
一 鰆と木の子のゆず味噌焼

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(写真をクリックすると多分大きくなります)
献立を確認した時点で、長男のものは木の子抜きでお願いしたので長男は鰆の西京焼でした。しかしひどい茸嫌いです。美味しいのに勿体ないこと。長男曰く「だってキノコはカビだよ!?」違うからー。
お刺身はまぐろとダルマイカ(…だったと思う。イカの種類は失念)。6月のイレウス再発からイカ・タコ・蒟蒻・ナッツ等はなるべく食べないようにしているのですが、このイカはひと切れだけ頂きました。いやいや、ねっとり甘くて美味しかった!もうひと切れは海産物loveな長男へ。3人でのんびりとおしゃべりをしながら、ゆっくりと頂きました。

強肴 群馬県産特選増田和牛ロースト 里芋の美味煮 長葱の焼ひたし 青唐 豆腐餻入りしゃぶしゃぶのたれ
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ここら辺で3人とも徐々に持て余す者・既に持て余す者あり(笑)。長男は11時過ぎに朝食を採ったというし、老母はもうお肉はめったに食べないので3人ですごいね、美味しそうだね、などと言ってみるのですが箸の動きがちょっと止まり気味。お肉が案外沢山でした。豆腐餻入りのたれはコクがあります。母が食べられなかったお肉を長男と私でシェア。この後まだごはん物があったわよねぇ?

食事 お好み 
一 うす揚と葱の讃岐温うどん
一 鴨と焼葱のつけめん
一 いくらご飯 のり


上記の3種から選ぶのです。全員いくらご飯をチョイス。
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出てきた姿に あ、面白い と。いくらが薄い餡かけになっています。道場六三郎直伝の例の『命のだし』らしき出汁の餡にいくらが包まれていました。一瞬生臭くならないのだろうか?と思ったのですが、お出汁の品の良い香りもいくらもよく調和が取れていました。

水菓子 おまかせ
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さつまいものムースと巨峰。飲み物はコーヒーや紅茶などから選ぶ事が出来ます。


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病はゆっくりと、けれど確実に進行しているようです。足の上がりが悪くなった気がするの とつぶやく老母。家で食事をしていると、箸の上げ下ろしも途中で疲れてしまうそうで、食べる量自体が減っていると言います。腕の震えは薬を代えてもらったことで以前より随分治まりましたが。

八丁堀生まれの老母は、私ですら生まれて初めて聞くような話をしてくれたりしたこの日。(老母の幼い頃の他愛もない話ですが)銀座が庭だった老母は、私が子供の頃からよく日本橋~銀座界隈の話をしてくれました。そういえばそのほとんどは食べ物屋さんの話でしたが(笑)。維新号の肉まん、千疋屋のフルーツパフェ、白木屋等々、当時転勤族の娘で地方を転々と移り暮らし、この世に東京という都市があることなど想像すら出来なかった子供の私には銀座は老母の口から語られる御伽の国のようでした。大手町で働くようになってから私もよく行った銀座の街。これが母の言っていたお店!と維新号を見つけて嬉しくなったり。

八丁目から四丁目まで老母を挟んでゆっくり歩きました。

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訳の判らない写真ですみません。中央の辺りに白っぽく写っているのは老母の左手です。左下の白いぐにゃぐにゃは、リュックに入っていたThe NORTH FACEのロゴ。
新橋駅のホームから改札降りる階段で、左利きの老母はきゅっと孫(長男)の背負うリュックにつかまりました。長男に「おばあちゃんがアンタのリュック握っているからね」と声をかけるとゆっくりと気を配りながら階段を降りる長男。
8年程前にはこういったものが全て失われたと思うくらい荒れた長男でした。不登校・昼夜逆転生活・家庭内暴力・犯罪…。心配しきった老父が呼び寄せ、私が交通事故にあった時の写真を長男に見せながら諄々に説いて聞かせたようなのですが、戻ってきた長男は私に向かって「あんたの親に娘殺すなって言われたよ」という言葉をぶつけてきました。



今、長男は私を様々に呼びます。おかあさん・母・母上。
そんな風に呼ばれる度に
呼ばれる事の奇跡を思います。
by sur-lie | 2010-11-25 09:57 | my loveable familiy
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崖の上(っぷち)の暮らしもいとをかし  

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