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From the clifftop

來間屋生姜糖

まだ実家にいた頃、どういういきさつだったかは忘れましたが近所の方に御礼の品を贈る運びとなり、きれいな和三盆糖の干菓子を選んだことがありました。かわいく型抜きされ、ほんわりとした色の、舌にそうっと乗せればふんわりと溶けてゆく、はかない美味しいお菓子です。

しかし母には不評でした。『あちらのお宅は子供さんが多いんだから、もっと腹持ちするような、数の多い嵩の多いものを選ぶべきである』というのがその時の母の意見だったように記憶しています。そのお宅にお子さんが何人いらしたかはもう覚えていませんが-確か4人か5人だったと思います-お宅の前を通った際洗濯物が干してあったのを目撃し、ひとつのピンチに一枚ずつ衣類等がつるしてあるのを見て(普通タオルなどはあの四角い洗濯ピンチのせんたくばさみを二つ使って、ぴんと張って干しますでしょう?そうではなくて一個のせんたくばさみに一枚、ひとつの角をぷらーんとつまんであったのです)面食らったのを覚えています。

今自分が男の子の母となって、その時の母の意見がようやく理解できるようになりました。でも私は基本的にあまり実用向きではない人間なので、アタマではわかるようになったけれどココロでは相変わらず和三盆糖のような夢のあるものをふわふわと追ってしまうのですが。よくないとは思いつつ。

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去年の暮れでしたか、たまたま寄った品川のDEAN&DELUCAで見つけた
『來間屋生姜糖』です。これも島根のお菓子だそう。生姜の風味がやさしく効いた、後をひく美味しさです。これは手のひらに収まるくらいの小さい箱のものでした。


また食べたいなあと思っていたら、先日夫が外出先の日本橋で買ってきてくれました。本当はこんなに大きな箱なんですね。そして箱の絵も彩色されていてさらに美しい。
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中身はこのような具合です。抹茶糖が三つだけ入っていました。
來間屋生姜糖_e0138916_18465680.jpg

紙包みを開き口に含むとしゃりしゃりとした口当たりが心地よく、まさに口福です。大切に食べようとしまいこみました。






まず買ってきた夫が「ねぇ、この間のお菓子はどういうの?」と言い出して渋々出す羽目に。「旨いな、コレ。」だそうで一気に7~8個食べてしまいました。そこに「何それ?」とやってきたのがちびすけ。生姜はちょっと…とか言いながら三つしかない抹茶糖をひとつ食べて「美味しいねえ!え?これは三つしか入ってないの?お母さんは食べたの?お父さんは?」とやたらしつこい。結局生姜糖の方もばくばく食べ出してしまいました。これはそういうお菓子じゃあないのよ、ひとつひとつ大切に、このかさかさいう紙包みをほどくのを楽しみつつ、ゆっくりと口に含んでから噛んじゃおうかな~、でももったいないからどうしようかな~と悩みながら食べるためのお菓子なの!!

などと言ってもきゃつら通じる相手ではありません。こういう雅を解さないわけではないのでしょうが、やっぱりまだまだ質より量の我が家なのです。

來間屋生姜糖_e0138916_19164063.jpg

そしてなんだかこんなのまで乱入してきました。生姜の香りにそそられたのでしょうか、しばらく興奮しておおいに邪魔をしておりました。
by sur-lie | 2008-07-03 19:23 | 好きなもの
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崖の上(っぷち)の暮らしもいとをかし  

by sur-lie
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