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From the clifftop

出来れば揚げる音だけでいい~BGMに物申す~

不良だお蕎麦だと騒いでいたらみなさん美味しい蕎麦屋を教えて下さったりして嬉しいです。こちらの方からも情報を頂き、過日ちょっくら行って参りました。

しかしここに行くにあたっては、地元住民であらせられる師匠から以前クギを刺されました。ごく普通の街のお蕎麦屋さん という風情のお店なのでゆめゆめ普段のように飲んだくれるでナイ みたいなことを言われて(正確にいうとブログのコメント欄の会話(?)でそんな話になったのだ)しまったわけですね。

まあ、いくら不良を気取ってもそうそう飲んでばかりもいられませんから師匠のおっしゃることも踏まえ今回は大人しくお蕎麦だけいただきましょうね。(ちっ、ったくよう、毎回飲んでどーこーがーわーるーいーっ

あざみ野駅を背中にして通りをてくてく歩きますとほどなく右側に見えてきました、『山鹿野』というお蕎麦屋さん。扉の向かって右側にはガラス張りの蕎麦打ち場がありました。

扉を開けるとどうやら私がその日一番の客のようです。席はどちらでも良いですよどうぞ とのことで窓際の席にのんびり構えました。お品書きを吟味して『つけ天』を頂くことにしてしばしのんびり気持ちを緩めましょう…

…と思ったのですがどうも調子が出ません。はてなぜかしら と首をかしげて考えることしばし、原因はこれだぁ と思い当たったのがいわゆるBGM、バックグラウンドミュージック というヤツです。私のかなり苦手分野の『ネオ邦楽』みたいな類のインストゥルメンタルが流れておりました。 そういえばここ数年で私が訪れた蕎麦屋でBGMが流れていたお店は皆無でした。店内で交わされる客同士の会話、お店の人のきびきびした掛け声・挨拶、蕎麦屋のそれはなぜかちっとも気になりません。けれどこのひゃ~ひゃ~とした尺八だのぱんぽんと響く鼓だの、これはツライ、ぼぉっとしたいのですが頭の中にひゃ~ふぉ~がいやおうなく侵入してきます。

ほどなくして文字通りそれらの音楽をバックに天ぷらを揚げる音がし始めました。最初はしゅわしゅわしゅわぁぁ という細かな泡がはじけるような、時間が経ってほどよく水分なども抜け、何と申しましょうかイメージとしては備長炭をたたくようなぴんぴんぽんぴんぴん といった音に変わっていきます。天ぷら、かくあるべし。あたしゃあこの天ぷらを揚げるかぐわしい音だけでよろしいです、お願いですからこのBGM、止めていただきたい…


などとひとりBGMに翻弄されているとつけ天登場。
出来れば揚げる音だけでいい~BGMに物申す~_e0138916_21573195.jpg

まずはあの軽快な音を立てて揚がった海老天を一口。あっつあつ なんてもんじゃありません。嗚呼天ぷらかくあるべし。口内火傷が怖くて天ぷらが食えるかっ。ぱりっとさくっと揚がって、海老もほっくりと甘く美味です。衣のさっくさくを魅惑的なつけ汁が緩めるが如くからまってゆきます。そこでお蕎麦をずずずいっ。先をちょんちょんとつけ汁に浸し、最初の一口は冷たいお蕎麦で火傷をしばしなだめ、その後つけ汁にくるまれたお蕎麦でその{汁+蕎麦}のコラボにしばし陶然となります。私のニッポンDNAが踊りだします。ああ美味しい。
気持ちの良い腹八分で食べ終え、あれこれあった甘味にもかなり心惹かれたのですが、このBGMの中で食べ続けるのはキビシイ と思い断念しました。お蕎麦は文句なしの美味しさでした。こちらは再訪の機会がありそうなお店です。今度は何を頂こうかな。





『山鹿野』を出てから駅方向に戻り、あまりに気持ちのよい腹八分目状態だったので『PAUL』でひとやすみしましょうかと立ち寄りました。

カフェ・クレームとエクレール・ショコラ。
出来れば揚げる音だけでいい~BGMに物申す~_e0138916_230777.jpg

エクレール・ショコラ。ケの日なら周りの目もはばからず手づかみでぐゎばっと食べていたと思うのですが、この日はよんどころない事情でマダムモード全開だったのでフォークとナイフでちみちみ切って食べました。シュー皮が残念ながら私の食べたかった皮とは異なる感じでしたねぇ。ショコラのクリームは美味しかったです。でも甘党の私にもかなり甘い。お砂糖を入れないカフェ・クレームを慌てて飲みながらこれはお抹茶と和菓子の関係にも似たような などと思っておりました。

本当は不義理先に書状を書いたりしたかったのですが結構席が混んでいたので悪いかな と遠慮しました。でもそれは表向きの理由。なんと『PAUL』の店内にもBGMが。それもか・なーりベタなシャンソンが。低い、太い声の女性がrをきれいに巻いてリエゾンして歌いまくる感じのヤツですね。この種類の楽曲も聴いている状況や私のコンディションによってはかなり苦手です。ネオ邦楽で辟易していたところにベタシャンソン。何かの呪いだったのでしょうか。高校生の頃は身の丈ほどもあるスピーカーの前に座ってジャズ喫茶で『その音』を聴くために過ごしたものですが、年を取り頑固になり、好きな音楽が限定されてくるとBGMがかくも緩慢な拷問になるとは知りませんでした。邦楽でも雅楽の『越天楽』とかは大好きなんですがね。
by sur-lie | 2008-06-23 23:27 | 食とその周辺
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崖の上(っぷち)の暮らしもいとをかし  

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